今回は、Androidスマホに最適なワイヤレスイヤホン探しということで、自分で設定した条件に合う各メーカーの上位モデルのイヤホンの中から、これ!という商品を検討していこうと思う。
iPhoneユーザーなら、AirPodsやAirPodsPro、Beats製品でいいんだけど、Androidだとそういう模範解答となるイヤホンがないのが現状だ。HUAWEIやGalaxyには純正のイヤホンがあるらしいが、僕の使っているGooglePixelにはそういったものが今のところない。2020年中に「Pixel Buds」という製品が出る噂があるが、だからこそ今のうちにサードパーティ製を検討する楽しみを味わいたい。
条件と比較項目
まず僕が、Android用に使うワイヤレスイヤホンに求める最低限の条件が以下の3つだ。それ以外は追加点として評価していきたい。
最低条件
- Bluetooth5.0 & AptXコーデックに対応
- USB-C充電(ワイヤレス充電対応だとなお良し)
- AirPods2ワイヤレス充電モデル以下の値段(〜25080円)
コーデックというのは、Bluetoothの電波で音楽をワイヤレス伝送するときに使う無線通信技術のことだ。
ほぼすべてのワイヤレスイヤホンはSBCという規格に対応しているのだが、より音の遅延の少ない高品質技術である、AACや、AptXというものがある。AACはiPhone専用規格、AptXはAndroidスマホ専用の規格だ。
なぜコーデックにこだわるかというと、例えば、SBCとAACにしか対応していないモデルのワイヤレスイヤホンをAndroidスマホで使うと、せっかくの高機能が無駄になってしまい、もったいないからである。
有名なイヤホンでいうと、
- Apple AirPods Pro
- SONY WF-1000xm3
- Jabra Elite 75t
- Sennheiser MOMENTUM True Wireless
- Bang & Olufsen Beoplay E8 2.0
などが、定番中の定番の、最高品質のワイヤレスイヤホンだが、これらはAndroid用の無線規格AptXに対応していない。そう考えると、コストパフォーマンスがとても悪い。
そこで今回の検討の最低条件としてこの規格の対応を必須条件とした。
他には、
- ワイヤレス充電対応
- ノイズキャンセリング機能
- 左右独立通信技術(TrueWireless StereoPlus)
- バッテリー持続時間
- 防水性能
- カラーバリエーション
などを主な検討項目として意識したい。
ワイヤレス充電とはケーブルを刺さずに充電パッドの上に置くだけで充電できる機能のこと。この便利さは一度体験するとやみつきになるだろう。
ノイズキャンセリングとは周囲の音をイヤホン側の機能で打ち消して無音状態にできる機能だ。詳しい仕組みは省略。
左右独立通信技術(TrueWireless StereoPlus)とは、イヤホン本体が左右それぞれ単体で別々にスマートフォンと接続される機能のことだ。従来の製品は左右がそれぞれ親機、子機という関係性で電波を飛ばしていたため、バッテリーの減りに差が出たり、片側だけで使えないなどと言った不自由さがあった。
バッテリー持続時間は、イヤホン本体での連続再生時間と充電ケース込みでの再生時間を比較していく。
防水性能は、「IPX」という階級で比較する。IPX0からIPX8まで9段階に分かれている。
等級 | 保護の程度 |
IPX0 | 水の侵入に対して特には保護されていない |
IPX1 | 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない |
IPX2 | 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
IPX3 | 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
IPX5 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IPX6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IPX7 | 規程の圧力、時間で水中に没しても水が侵入しない |
IPX8 | 水面下での使用が可能 |
肝心の音質と接続安定性についてだが、今回は不問とする。なぜならこの2点はかなり主観や好み、使用環境に左右されるからである。人のレビューで判断するしかない。例えば2019年の夏にガジェット界の一世を風靡したSONY WF-1000XM3はレビュアーの中でも意見が極端に分かれる。
まったく同じ商品なのにこれだけ評価が違う。したがって今回は音質や接続性といった個人差が出る項目は除外して検討した。候補を絞りこんでから実店舗で試聴すればいいと思う。
その一方でワイヤレス充電に対応しているかどうかや、バッテリー持ちに関しては白黒はっきりと○×や数字で断定できるから比較がしやすい。
さあ、やっていこう。エントリーイヤホンはこの10個。
- Libratone TRACK Air+
- Anker Soundcore Liberty Air 2
- AVIOT TE-D01d mk2
- House of Marley REDEMPTION
- 1MORE EHD9001TA
- SOL REPUBLIC AMPS AIR+
- Mavin Air-XR Qi
- YAMAHA TW-E5A
- Noble audio FALCON
- NUARL N6 Pro
目次
No.1 Libratone TRACK Air+

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 22460 |
ワイヤレス充電 | ○ |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 6h(本体)/24h(ケース込み) |
防水性能 | IPX4 |
カラーバリエーション | ブラック / ホワイト |
Libratoneはデンマークのオーディオブランド。スタイリッシュでミニマルなデザインが特徴。機能も豊富で文句の付け所がない。
シンプルなデザインが好きな人向けの多機能ワイヤレスイヤホン
No.2 Anker Soundcore Liberty Air 2

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 9999 |
ワイヤレス充電 | ○ |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 7h / 28h |
防水性能 | IPX5 |
カラーバリエーション | ブラック / ホワイト |
Ankerは定番の充電器、モバイルバッテリーの人気メーカー。SoundCoreというオーディオブランドを立ち上げ、リーズナブルなスピーカーやイヤホンを多く販売している。1万円を切る価格設定でこの付加価値は非常にお得。音質にそこまでこだわりのない人の最適解。
コストパフォーマンスNo.1の完全ワイヤレスイヤホン
No.3 AVIOT TE-D01d mk2

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 11512 |
ワイヤレス充電 | ○ |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 11h / 120h |
防水性能 | IPX5 |
カラーバリエーション | ブラック / ネイビー / レッド |
AVIOTは、日本人好みの音作りJapan Tunedという独自のコンセプトを持つ日本メーカー。大人気だった前作にユーザーの要望を取り入れて徹底的にブラッシュアップされた。長い間品薄状態が続いている。
多機能とコスパ、120時間の大容量バッテリーが特徴のワイヤレスイヤホン
No.4 House of Marley REDEMPTION

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 20727 |
ワイヤレス充電 | × |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | 記載なし |
バッテリー持続時間 | 5h / 20h |
防水性能 | IPX4 |
カラーバリエーション | ブラック |
House of Marleyがブランド誕生10周年を記念して発売した初のアクティブノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスイヤホン。竹を使用したユニークなデザインが特徴的。ノイズキャンセリングは強すぎず心地いいというレビューが多い。ワイヤレス充電に対応していないのが惜しいところだ。
個性たっぷりのノイズキャンセリング機能付きワイヤレスイヤホン
No.5 1MORE EHD9001TA

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 19800 |
ワイヤレス充電 | ○ |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 6h / 22h |
防水性能 | IPX4 |
カラーバリエーション | ブラック / ホワイト |
1MOREはFREEWAYというメーカーのオーディオブランド。二段階調節のできるノイズキャンセリング機能が特徴的。
ほしい機能がバランスよくそろったノイキャン調節のできるワイヤレスイヤホン
No.6 SOL REPUBLIC AMPS AIR+

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 22545 |
ワイヤレス充電 | × |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | 記載なし |
バッテリー持続時間 | 6h / 24h |
防水性能 | IPX4 |
カラーバリエーション | ブラック / シャンパン / シルバー |
メタリックでラグジュアリーなデザインが特徴の高級感あるワイヤレスイヤホン。機能に対して値段は少し高めに感じる。
お洒落なデザインのノイズキャンセリング機能付きワイヤレスイヤホン
No.7 Mavin Air-XR Qi

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 15268 |
ワイヤレス充電 | ○ |
ノイズキャンセリング | × |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 10h / 30h |
防水性能 | IPX7 |
カラーバリエーション | ブラック |
Mavinは米国のメーカー。このイヤホンの特徴は圧倒的にコンパクトな充電ケース。手のひらにすっぽりと収まるためサイズの利便性は高い。ワイヤレス充電非対応モデルが4種類のカラーバリエーションがあったためワイヤレス充電モデルにも近々他の色が追加されるかもしれない。
ワイヤレス充電対応でとにかく小さいケースが特徴のワイヤレスイヤホン
No.8 YAMAHA TW-E5A

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 16500 |
ワイヤレス充電 | ○ |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 7h / 28h |
防水性能 | IPX5 |
カラーバリエーション | ブラック / ホワイト / スモーキーピンク / スモーキーブルー |
YAMAHAが開発した新型完全ワイヤレスイヤホン3機種のうちの、最上位モデル。豊富なカラーバリエーションと、独自のリスニングケアという機能が注目されている。
丁寧な音作りで評判のヤマハが作る妥協のない完全ワイヤレスイヤホン
No.9 Noble audio FALCON

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 17820 |
ワイヤレス充電 | × |
ノイズキャンセリング | ○ |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 10h / 40h |
防水性能 | IPX7 |
カラーバリエーション | ブラック |
接続の安定性と音質に評判がある完全ワイヤレスイヤホン。高い防水性能も安心のポイント。
普段使いにおいて役に立つ機能を十分に備えた完全ワイヤレスイヤホン
No.10 NUARL N6 Pro

(公式サイト)
値段(執筆時Amazon価格) | 19800 |
ワイヤレス充電 | × |
ノイズキャンセリング | × |
左右独立通信技術 | ○ |
バッテリー持続時間 | 11h / 55h |
防水性能 | IPX4 |
カラーバリエーション | マットブラック / レッドカッパー |
音質とフィット感にこだわった完全ワイヤレスイヤホン。一年以内の紛失保証もありがたいが、付加価値は少なめで特段に注目できるポイントは少ない。
大人っぽいデザインの音質重視完全ワイヤレスイヤホン
今回のオチとまとめ

いままでこれだけAptXにこだわってイヤホンを探していたがよくよく調べてみると、Android8.0以降のスマホは標準でAACとAptXに対応しているらしい。徒労だったと後悔した。
しかし、またまたよくよく調べてみると、AACより少しだけAptXの方が高性能らしい。どちらにも対応しているのならAptXを使っているのなら満足度は高い。
コーデック | SBC | AAC | AptX | AptX LL |
遅延 | 170〜270ms | 90〜150ms | 60〜80ms | 40ms未満 |
ただし、これは音の遅延が少ないだけであって音質には全く関係がない。ただ音楽を聴くだけならどっちでも問題ない。役に立つのは、ゲームをするときや動画を見る際に映像と音にタイムラグがなくなるという点だ。
また、完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ基準は人それぞれで今回挙げた機能の他に、実際に店頭で視聴することで新たな発見がある。音質、接続性、電源オンからの立ち上がり、装着感、ケースの質感、デザインなどだ。
いまやイヤホンはアクセサリーとしての一面も強い。普段ピアスやネックレスなどアクセアクセしたアクセサリーを身に付けない人は特に、愛着を持ったイヤホンを自分の個性として身に付け、お気に入りにのガジェットが生活の中に溶け込むと、ほんの少し人生が豊になるかもしれない。