今回は3年間 iPhone7を使ってきた僕が、スマホ乗り換え先にGooglePixel3XLを選んだ理由を解説する。
目次
iPhone卒業を決意した理由
高校を卒業して初めて手に入れたスマートフォンがiPhone7だった。とくに不自由なく使っていたのだが、最近バッテリーの減りが早くなり、格安SIM乗り換えといっしょにスマホ本体も買い換えることを決意したのだ。
さて、今iPhoneを購入するなら、iPhone 11一択だろう。性能を考慮するとめちゃめちゃコストパフォーマンスが高い。詳しくは僕の敬愛するガジェマガさんのこちらの動画がとても分かりやすい。
しかし、当然 iPhone 11にもメリットとデメリットがある。ここからは自分のこだわりとどこまで妥協できるかの話になる。
ガジェマガさんの動画で挙げられていた iPhone 11のメリットとデメリットは以下のものだ。
〈メリット〉
- 高い処理能力(Apple A13)
- おサイフケータイ(FeliCa)搭載
- 高画質カメラ
- SIMフリー
- 防水(IP68)
〈デメリット〉
- 未だにLightning端子
- 大きさの割に重い
- 有機ELではない
- DSDS、ツインアプリに非対応
主な項目を挙げてみた。
僕が iPhone 11のメリットの中で絶対に譲れないのは、おサイフケータイ(Felica)機能だ。SuicaやiD決済は生活必需機能だ。しかし今まで知らなかったのだが、大半のAndroidスマホにはこの機能がない。
また、カメラはそこまで性能を求めないし、防水もお風呂にスマホを持ち込む習慣がないのであまり重要ではない。
せっかくならUSB-Cにこだわりたい
そして、デメリットの中でどうしても妥協できなかったのが、誰にも望まれていないLightningケーブルの存在だ。
僕は半年前に新型のiPad Proを購入したのだが、非の打ちどころがないくらい快適に使用させていただいている。完璧。一切不満がない。
一番良かったのは、USB-C端子の搭載だ。こんなにデータの入出力が簡単になるのは衝撃だった。
最近はワイヤレスイヤホンやスピーカーも充電にUSB-C端子を採用する機種が増えてきたが、正直言って、充電のためだけなら端子はなんでもいい。メリットはケーブルを種類を減らせるくらいだ。端子を揃えたいならマグネットケーブルを導入すればいい。
しかし、スマホ・タブレットはUSB-C端子にするメリットが複数ある。
- 機種によっては電源の出力ができること
- データの入出力の転送速度が速いこと
- 端末を外部ストレージ化できること
など、端子を統一することよりも明確な利点が存在する。
という理由から、これから数年は毎日使用するであろうスマートフォンの端子はどうしてもUSB-C端子であって欲しかった。
調べてみると現在、最新のスマートフォンをAndroidで購入したらほとんどがUSB-C端子だ。MacBook、iPad ProがUSB-Cに移行した今、Lightning端子はiPhoneとBeat製品くらいだ。
以上の検討から、僕が新しいスマートフォンに求める条件は、
- USB-C端子搭載
- ワイヤレス充電
- Felica搭載
- 快適に使えるスペック(CPU Snapdragon670以上、メモリ4GB以上)
- シンプルでそこそこ画質の良いカメラ
といったところだ。これらの条件を揃えていて、なおかつデザインやブランドも気に入ったのがGoogle謹製のスマートフォン、「Google Pixel」シリーズだ。
YouTuberのKICSさんやmonographさんがレビューしていて気になっていたという点も大きい。
Google Pixelという解に辿りついた
Appleがハードウェアとソフトウェアの両方を作っているのと同様に、GooglePixelシリーズは、Androidスマホで唯一、ハードウェアとソフトウェアを同一メーカーが作っていることになる。純正とはまさにこのことだ。
購入したのは、2019年11月。10月に最新のGoogle Pixel4が登場して、当時のラインナップは以下の通りだった。
- Google Pixel3
- Google Pixel3XL
- Google Pixel3a
- Google Pixel3aXL
- Google Pixel4
- Google Pixel4XL
発売年 | 画面サイズ | 重さ | ロック認証 | Qi充電 | |
Google Pixel3 | 2018.11 | 5.5 | 148g | 指紋認証 | ○ |
Google Pixel3XL | 2018.11 | 6.3 | 184g | 指紋認証 | ○ |
Google Pixel3a | 2019.5 | 5.6 | 147g | 指紋認証 | × |
Google Pixel3aXL | 2019.5 | 6.0 | 167g | 指紋認証 | × |
Google Pixel4 | 2019.10 | 5.7 | 162g | 顔認証 | ○ |
Google Pixel4XL | 2019.10 | 6.3 | 193g | 顔認証 | ○ |
そして結論からいうと、僕はこの中から、Google Pixel3XLを選んだ。
その理由をひとつずつ解説したい。
1.Qi充電とCPU性能を考えて3a/3aXLは除外。
3a/3aXL は3/3XLの廉価版だ。同じカメラ性能を保ったまま、CPUのスペックやいくつかの機能を削ることによって大幅なコストカットを実現した。コスパはとても高い。
そこで削られたいくつかの機能の中にQi充電機能があった。ぼくはAirPodsのワイヤレス充電モデルでQi充電の便利さにやみつきになってしまったので、これは妥協したくなかった。
それから防水防塵性能については 3/3XL がIP68なのに対して、3a/3aXL はIP52と、ちょっと心もとない。ここも妥協したくなかった点だ。
3a/3aXL には他にイヤホンジャックがあるというメリットがある。しかし、これに関しては2018年にiPad Pro からイヤホンジャックがなくなった時点でUSB−Cイヤホンという選択に落ち着いているのでそこまでの魅力はない。
あとは、CPU性能だが、正直そこまで詳しくない。数字が大きいほど性能がいいらしい。
端末 | CPU |
Google Pixel3 | Snapdragon 845 |
Google Pixel3XL | Snapdragon 845 |
Google Pixel3a | Snapdragon 670 |
Google Pixel3aXL | Snapdragon 670 |
Google Pixel4 | Snapdragon 855 |
Google Pixel4XL | Snapdragon 855 |
そんなにスペックは求めないが、一番低い3a/3aXL を選択肢から消した。
2.新機能が安定待ちと値段のネックで4 /4XL もなし。
Google Pixel4には、「motion sense」 という、空中でのジェスチャーを認識できる新機能が搭載されて話題になっていた。正直な印象は「そんな機能いるか?」といった感じで、ひとまず我慢して購入者のレビューとそのフィードバックでメーカーが改良してからと決めた。やはり危ない橋は渡りたくない。
そして案の定、発売から3ヶ月ほど経ってから次々と不具合の報告が上がっている。いちばんは「バッテリーの減りが早い」ということらしい。考えてみれば空中に常に空間認識センサーを飛ばしていたら電池を消耗するだろう。様子見の判断をして正解だった。
顔認証と指紋認証は正直なところ、どっちもどっちなのでそこまでこだわりはない。顔認証モデルの第一作目、メジャーアップデート直後はリスクが大きい。
それから一番のネックはその値段だ。ハイエンドとはいえ、スペックに対して値段が高い。公式ストアでほぼ十万円オーバーだ。その一方でソフトバンクでは最新のGoogle Pixel4が出る直前に在庫一掃セールを行ったらしい。そのため、フリマアプリには大量に格安のSIMロック解除済みの新品未開封端末が出品されていた。キャリア保証などのリスクは心配だったが結果的に僕はそこで端末を手に入れることにした。
3.Google Pixel3に確定。サイズはどうする?
さて、どうやらGoogle Pixel3がよさそうだという方向性になったわけだが、残るはサイズとストレージだ。サイズは5.5インチと6.3インチの2つがある。
かつてはスマホの大画面化に疑問を呈していた自分だったが、今回はあえて画面の大きな6.3インチのGoogle Pixel3XLを選択した。
それは以前の記事で紹介した iPod touch のサイズ感に満足しているからだ。
似たようなサイズの端末が2つあっても仕方ないので、片方が小さいならもう片方はあえて大きめにしてみよう!という判断。結果的にシチュエーションに応じて使い分けることができている。大きな画面のおかげで実はKindleもいらなくなったほどだ。
そしてストレージは128GBを選んだ。32GBと128GBの2択というのは、最近のハイエンドスマホとしては容量がやや小さめだ。
あとはなんといっても正面のカメラのデザイン。iPhone11Proほどではないにしてもしっくり来なかった。
ということで、このような選考基準の結果、Google Pixel3XLというスマートフォンが僕の初めてのAndroid端末となった。
4.Google Pixel3XLに決定。
もう一度、ポイントをまとめてみよう。
- Google 純正のスマートフォン
- OSはメーカーのカスタムがないPure Android OS
- 抜群の感度の背面指紋認証(※慣れが必要)
- 2018年のハイエンドスマホ(iPhoneXS, XR世代)
- FeliCa搭載(モバイルSuica利用可能)
- ワイヤレス(Qi)充電に対応
- USB Type-Cポート搭載
- 単眼でも高画質で評判のいいカメラ
- 防水防塵性能IP68
- 有機ELディスプレイ搭載
- 26段階の細かな音量調整
なぜか1世代古いモデルを選んでしまったわけだが、使って3ヶ月経った今でも全く後悔していない。
ただ人を選ぶと思うが、1つ大きなデメリットがあるとすればiPhoneよりも巨大で存在感のあるノッチ(画面上部のデコボコ)の存在だ。肯定的に捉えれば、ギリギリまでディスプレイを使えることや、高画質の広角と標準の2つのリアカメラがあって(フロントカメラは1つなのに!)自撮りに便利などのメリットもある。
ただどうしてもノッチが我慢できないという人には、AndroidOS側のシステム(開発者向けオプション)をいじることで本来ノッチである部分にただの黒を表示して、あたかもノッチが存在しないかのような見た目にすることもできる。
Google Pixel3XLが iPhoneより優れていると思うポイント
さて、話は振り出しに戻る。もともとiPhone7ユーザーだった僕がせっかく乗り換えたのだから、Google Pixel3XLは iPhoneは個人的な判断基準でiPhoneより優れていてくれないと気が収まらない。
認知的不協和と言われても仕方ないが、Macユーザーで Androidスマホを使うといういくぶん変態的なことをしているからにはそれなりの正当化をして自分を満足させたいと思う。
ポイント1.とにかく軽い。【iPhone重すぎ】
Google Pixel は軽い。というより、iPhoneが重すぎるだけかもしれない。今期のiPhone3機種と比べてみても画面サイズに対してものすごく軽い。大画面スマホに挑戦する理由の一つになった。
画面サイズ | 重さ | 大きさ | |
Google Pixel3XL | 6.3 | 184g | 158.0×76.7×7.9(mm) |
iPhone11 Pro | 5.8 | 188g | 144.0×71.4×8.1(mm) |
iPhone11 | 5.6 | 194g | 150.9×75.7×8.3(mm) |
iPhone11 Pro Max | 6.5 | 226g | 158.0×77.8×8.1(mm) |
ポイント2.容量無制限のGoogleフォトはiCloud写真よりもコスパ◎

iPhoneを使っていて、突然
「iCloudストレージの空き領域が不足しています」
というメッセージが表示されて困ったという経験はiPhoneユーザーなら誰もがあるだろう。iPhoneのiCloudは無料で5GBしか使えない。それ以上の容量を使う場合は毎月課金しなくてはならないのだ。5GBというと写真1000枚分くらい。動画も撮っていたらあっという間に制限いっぱいになってしまう。解決策はいくらでもあるが正直いってめんどくさい。
一方で、Google Pixel はデフォルトの状態でGoogleフォトという純正のオンラインストレージに写真や動画を無限に保存できる。少なくともあと3年は写真の容量を気にすることなく使用することができる。つくづくGoogleはクラウド面において太っ腹だなと思う。
Pixel 3 から Google フォトに写真や動画をアップロードする場合は、元の画質で無制限に保存できるオンライン ストレージを 2022 年 1 月 31 日まで無料で使用できます。2022 年 1 月 31 日以前にアップロードした写真と動画は、その後も元の画質のまま無料で保存できます。
Google公式ページ
ポイント3.GoogleアシスタントがSiriよりも圧倒的に優秀。

初めてiPhoneを購入した頃は一日中Siriで遊んでいられるくらい、ボイスアシスタントは新鮮だったが、今となってはアラームとタイマーくらいにしか使っていない(僕だけ?)
対して、GoogleアシスタントはAIアシスタント界随一の音声認識精度を持ち、純正のGoogleマップやGoogleカレンダーともスムーズに連携して抜群の使い勝手を提供してくれる。
また、Googleは純正のスマートスピーカーがめちゃくちゃ優秀で、用途に合わせた豊富なラインナップが用意されている。Apple信者がApple製品で身の回りのガジェットを揃えたいのと同様に、Google製品でスマホやスピーカーを統一するのはとても気持ちがいい。安いものだと、第一世代のGoogleHome Miniが約3000円から購入できる。(一方Appleは税込36080円のHomePod一択)
対応している家電も豊富で声で電気を消したり、カギを探したり、家の戸締りをしたりと偏在した未来を体験できる。
今後の課題
ここまで長々とGoogle Pixel3XLについて褒めちぎってきた。常に最新版がいいというわけではないが、かといってスペックを妥協するのもよくない。iPhoneと違ってAndroidスマホはその人がその機種を選んだ判断基準やセンス、コストパフォーマンスに対する意識などが顕著に現れる。自分が悩み抜いて選んだ機種ならそれなりに愛着もわくものだ。これからもしばらくはこのGoogle Pixel3XLを使い倒していこうと思う。
ちなみに2020年の5月にGoogle Pixel4a、11月頃にはGoogle Pixel5が発売されるらしい。その比較も踏まえてどこまで現役で頑張ってくれるのか楽しみなところだ。
あとはメインのクラウドストレージにGoogleDriveとDropbox、どちらの有料版を契約するかの結論を出したり、Google Pixelで使うワイヤレスイヤホンの最適解を探したりと、これからもこのスマートフォンを最大限活用できるように試行錯誤していくつもりだ。